経緯
クロスコミュニティでは、以前に「The Earth」というSDGsパトロンプラットフォームプロジェクトを検討していました。
しかし、寄付という属性上、フォーマット化が難しく、さらにはプラットフォーム開発コストなどのハードルが高く、検討がストップしていました。
プロジェクトはストップしていましたが、「余剰の再配分」というコンセプト※は、自律分散の社会(国や政府に頼り切りではなく、コミュニティや個人が自ら社会をつくる)への大局観と一致しているため、引き続き寄付や贈与といった観点の調査や考察を進めてきました。
※余剰の再配分というコンセプトと、その背景については以下の記事を参照してください
寄付や社会貢献についてのヒアリング調査
有志の何名かで、寄付や社会貢献についてのヒアリング調査を行ったところ、以下の傾向がわかってきました。
- ポイント1:社会貢献や寄付マインドは高い
- ポイント2:でも寄付行動を阻むハードルあり(使途・効果が不明瞭)
- ポイント3:寄付行動には、実感や自己満足感が得られるかも大切
- ポイント4:社会課題に係る関心分野は教育・環境など様々
要するに、現代日本で生きる私たちは、「意外にも社会貢献や寄付のマインドは持っているが、実際には行動に移せていない(行動に移せているのはレアケース)」ということです。
寄付などの行為のハードルとしては、「使途や効果が不明瞭であること」があるようです。
一方、寄付などの行為を起こせた人は、「実感や満足感が得られたかどうか」がモチベーションとして重要なようです。
このことから、私たちは、寄付や社会貢献の結果、「使途や効果が明確であること」と「実感や満足感が得られること」の2点が、キーポイントになってくると考えました。
<アンケート結果資料>
ネクストアクションのための仮説
上述の調査を受けて、ネクストアクションをどうするか?について整理しました。
キーポイントとなってくる2点「①使途・効果の明確さ」と「②実感や満足感」を “課題” として考えると、①に関しては、寄付などを受ける団体側が対応する必要があったり、そもそも寄付の結果が可視化される仕組みなどが必要となるため、私たちが元々行おうとしていた仕組みづくりのプロジェクト(難航してストップ)と同じ状況に行き着くことが想定されました。そのため、②の課題を起点としてアクション案を考えることにしました。
②の「実感や満足感」について考察すると、客観的なソリューションを模索するというよりは、むしろ寄付や社会貢献を行う人自身による主観がとても大きいと考えられました。この “主観” というのはとても難しいもので、答えを教えてもらうというよりは、「それぞれが、それぞれに気づいていく」というプロセスが要求されます。そこで、「有志でお互いの気づきや主観を定期的にシェアし合う機会を作り、その輪を広げていくのはどうか?」というアイデアが出てきました。
自分自身が気づくきっかけを作ることと、それを仲間にシェアすることで気づきのレベルを上げること、さらには仲間のシェアやフィードバックでさらに気づきのレベルを上げること、を通していくことで、自分が何に「実感や満足感」を得るのかの理解を深めていくいうものです。この気づきの連鎖の輪を広げていくことで、課題②に対するアクションを積み重ね、いずれは、課題①に対するアクションを進める手がかりも得られないかと期待しています。
<企画コンセプト資料>
2020年10月24日に有志数名による第一回目の実験を開始
まずは上述の営みを数名で実験したいと思います。追々、続きを共有していきたいと思います。